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スクリーンを横から見てみる

映画と、映画以外の全て、の2つについて。twitterは@cathexis_impish

『ナイトクローラー』夜目が利く、F値は開放、見開いて

あの眼、まなこ。決して瞳とは表現されない眼球。

 

倫理の欠片もない、絶対にエントリーされないけど今年の真の流行語「ゲスの極み」の称号が相応しい男、ジェイク・ギレンホール演じるルイス・ブルームの眼が強烈に印象に残る映画『ナイトクローラー』。

俳優さんの覚えがあまり良い方ではありませんが、『エンド・オブ・ウォッチ』『複製された男』と同じ人だと知って驚いています。

 

主人公ルイス・ブルームは、最初から事件・事故を撮影するカメラマンではなく、きっかけから一人前になるまでの成長を描いています。師匠につくわけではなく、周囲の人間を瞬きもせず観察し、学んでいきます。ルイスのギョロッとした眼はまるでカメラのレンズです。録画しっぱなし。じっと見つめ、決してストップボタンは押されません。カメラマンの仕事は天職だということが分かります。

 

後半、「あなたは最高」とルイスの軍門に降った番組ディレクター・ニーナの眼差し、見つめ返すルイスの眼、モニターから二人を見つめる相棒のリック。

この映画の眼の怖さのピークだと思います。

あれだけ強烈であってもルイスの眼には深さがない。ニーナの下品に縁取られた目にも目先の利益しか映っていない。死んだ目をしたリックだけが、この世界を深淵から見つめ返してくる。

「ご主人様、満足されましたか?」と問いかけるリックの眼。

ずっと胸クソ悪いルイスに寄っていた映画が初めてリックの、すなわち私たちの視線を受け入れてくれるシーンです。

 

抗いがたい悪の魅力に溢れたキャラクターならば、日本には勝新の『不知火検校』がありますね。

座頭市』『兵隊やくざ』など代表作ありますが、私は『不知火検校』の勝新が一番好きです。

この映画の勝新は盲目の役です。

眼に特徴があるという点で、ふたつの映画は似ていますね。

 

眼以外のところでは、序盤に主人公が自宅でコメディ映画を見ている場面、鎧の騎士のギャグが出たところでルイスはすぐに笑わずに、一度周りを見渡して誰もいないのを確認してから笑う、という描写に鳥肌が立ちます。なんとなく分かっていましたが、男の異常性がよく出てると思いました。監督は脚本家出身なのに、セリフを使わず描写するダン・ギルロイに感服します。

 

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